ダイエットや体力作りを始める際、多くの人が「ピラティスと筋トレ、どっちが自分に合っているのか?」という疑問を抱くと思います。そこで本記事では、ピラティスと筋トレの違いや、それぞれに向いている人、そして両者を併用するメリットについて詳しく解説します!
ピラティスと筋トレ、4つの違い
上の写真は200人にピラティスのイメージについてアンケートをとった結果です。これを見るとピラティスと筋トレのイメージが混同している人が5人に1人以上いて、またさまざまなイメージを持つ人が多いと分かります。そこでまずはピラティスと筋トレの違いを挙げながら両者の特徴を見ていきます!
目的の違い
ピラティスは、体幹の強化、姿勢改善、柔軟性向上を目的としたトレーニングです。リハビリテーションにも利用されることが多いです。特に姿勢改善や背中の痛み軽減に効果的で、日常生活の質を向上させることができます 。
一方、筋トレは筋肉量を増やし、筋力の向上や逞しい容姿を手に入れることなどを目的としています。どちらも健康につながる運動ですが具体的な目的は異なっています。
運動の種類の違い
ピラティスの運動
ピラティスは低~中強度の運動で、持続的に行う有酸素運動に近い形式です。呼吸と動きを連動させることで、全身の調和を図ります。具体的には、マットピラティスとマシンピラティスの2種類があり、体幹の安定性と柔軟性を向上させます 。
マットピラティスは自重を使ったエクササイズが中心で、全身の筋肉をバランスよく鍛えることを目的としています。手軽に始めたい、全身をバランスよく鍛えたい場合はマットピラティスが適しています。
一方マシンピラティスはリフォーマー、キャデラック、ワンダーチェア、バレルなどの専用器具を使用し、これらの器具がスプリングや滑車を使用して抵抗を生み出し、エクササイズの負荷調整を可能にします。器具のガイドによって正確なフォームを維持しやすく、多様なエクササイズが可能で、特定の筋肉群を集中的に鍛えることができます。
筋トレの運動
筋トレは短時間で高強度の無酸素運動であり、特定の筋肉群に集中的に負荷をかけます。例えば、ウェイトリフティングが代表的です。筋繊維を微細に損傷させ、修復することで筋力と筋肉量を増やします 。
鍛える筋肉の違い
ピラティスは主に体幹の深層筋(コアマッスル)を鍛え、バランス感覚と姿勢の改善を目指します。インナーマッスルを重点的に鍛えることで、全身の調和を保ちつつ、体の内側から安定させることができます 。
筋トレは表層筋(アウターマッスル)を中心に鍛え、筋力と筋肉量の増加を目指します。特にバーベルやダンベルを使用したトレーニングでは、大筋群に集中して負荷をかけることができ、短期間で筋肉の成長を促進します 。
ダイエット効果の違い
ピラティスは、持続的に行うことで脂肪燃焼効果が期待でき、体幹を鍛えることで基礎代謝が向上します。また、体全体の筋肉をバランスよく使うため、スリムでしなやかな体型を目指す人に適しています 。
筋トレは、筋肉量を増やすことで基礎代謝が上がり、長期的なカロリー消費が増加します。特に高強度の筋トレは、運動後のエポック(Excess Post-exercise Oxygen Consumption)効果により、運動後もカロリー消費が続くため、効率的な体脂肪燃焼が期待できます。
あなたはピラティスと筋トレ、どっちが合ってる?目的別に紹介!
姿勢改善や柔軟性向上を目指す方→ピラティスがおすすめ
筋力アップや筋肉量増加を目指す方→筋トレがおすすめ
ダイエット目的の方→ピラティスと筋トレの併用がおすすめ
姿勢改善や柔軟性向上を目指す方
ピラティスが最適です!ピラティスは、体幹の強化や柔軟性向上に効果的で、特に姿勢改善や体のバランスを整えたい方に向いています。リハビリテーションの一環としても取り入れられており、腰痛や関節痛の予防にも効果があります。
筋力アップや筋肉量増加を目指す方
筋トレがおすすめです!筋トレは、重りを使って筋肉に直接的な負荷をかけることで、効率的に筋力と筋肉量を増やすことができます。特に短期間で目に見える成果を求める方や、スポーツのパフォーマンス向上を目指す方に適しています。
ダイエット目的の方
ピラティスと筋トレの併用が最適です!ピラティスで体幹を強化し、柔軟性を高めつつ、筋トレで筋肉量を増やし基礎代謝を向上させることで、バランスの取れた健康的な体作りができます。食事制限と組み合わせることで、より効果的なダイエットが可能です 。
これらのピラティスの効果は以下の論文から根拠が挙げられています。
アメリカ保健福祉省の機関(National Institutes of Health)が発表した、55歳以上の健康な高齢者および臨床的状態を持つ高齢者におけるピラティスの効果を研究した内容の論文になっています。
この研究は、ピラティスが体力、柔軟性、バランス、心血管機能、筋力、および精神的健康(特に不安や抑うつ症状の軽減)に対して有益な効果を持つことを示しています。特に、臨床状態を持つ高齢者に対しても有効であることが確認され、リハビリテーションや健康維持のための運動療法として推奨されています。
ピラティスと筋トレ、併用のメリット
これまでピラティスと筋トレを比較して紹介してきましたが、実はピラティスと筋トレを併用することで、相互に補完し合いより効果が期待できることがわかっています!具体的なメリットは以下の点が挙げられます。
- 総合的な体力向上: 体幹の安定性と筋力の両方を強化できるため、総合的な体力が向上します。
- バランスの取れた体作り: ピラティスで柔軟性と体のバランスを整え、筋トレで筋力を増強することで、バランスの取れた体を作ることができます。
- 怪我の予防: 体幹が強化されることで、筋トレ時のフォームが安定し、怪我のリスクを減少させることができます 。
- 効率的な脂肪燃焼: 特にダイエットにおいてピラティスと筋トレの併用はとても効果的です!まずピラティスは全身の筋肉をバランスよく使うのでウォームアップ効果により、筋肉を温め、可動域を広げます。これにより、筋トレ前のウォームアップとして機能し、怪我のリスクを減少させ、血流を促進し、筋肉への酸素供給を増やします。そして筋トレをすることで効果が最大化されます!ピラティスでの有酸素運動と筋トレでの無酸素運動を組み合わせることで、効率的に脂肪を燃焼させることができるのです 。
まとめ
ピラティスと筋トレは、それぞれ異なる目的と効果を持つトレーニング方法です。ピラティスは体幹を強化し、柔軟性と姿勢を改善するのに適していて、筋トレは筋力と筋肉量を増やすのに効果的です。両者を併用することで、バランスの取れた健康的な体を作ることができ、さらには効率よくダイエットをすることが可能です。自分の目的に応じて適切なトレーニングを選んで理想の体作りをしていきましょう!